【東山動植物園839】<2017>

動物園

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きりんデッキ(日曜日のみ開放)


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コアラ壱

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コアラ弐


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つつじヶ丘三叉路


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ム-シュ-チュ-一


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ム-シュ-チュ-三


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ハンカチの木


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落下した苞葉


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御花畑


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地植えのラベンダ-


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UP






◆ラベンダ-

ラベンダー(英:lavender [ˈlævəndər]、仏:lavande)は、シソ科ラヴァンドラ属(ラベンダー属、Lavandula)の半木本性植物の通称である。または、半耐寒性の小低木Lavandula angustifolia (通称:ラベンダー、コモン・ラベンダー、イングリッシュ・ラベンダーなど)を指す。


日本人とラベンダー

宇田川榕庵舎密開宗』、蒸留装置
北海道、中富良野町のラベンダー畑
ラベンダー発祥の地。札幌市南区南沢

ヨーロッパでは伝統的に精油が医療に利用されていたため、西洋医学蘭方)が日本に伝わると、日本の医師や学者は西洋の薬用植物や精油精油の蒸留法、利用法に興味を持ち、情報を集めて医療に利用した。ラベンダーは文政期に、宇田川玄真(榛斎)訳述・宇田川榕庵補校による西洋薬物書『遠西医方名物考』(1822年)及び補遺(1934年頃)に「ラーヘンデル」「ラーヘンデル油」の名で詳しい説明があり、以降江戸後期の翻訳書・蘭学書にもラベンダーや精油についての記述がある。フランス語lavande は、蘭学者の翻訳によりオランダ語lavendel (ラーヘンデル)として紹介された。翻訳作業を通して蘭方薬(西洋薬)に使う生きた植物を輸入しようという機運が高まった。遠藤正治によると、大槻玄沢と宇田川玄真が幕府に申請したオランダからの輸入のリストにはラベンダーも含まれていたという。1819年には花と精油が輸入され、万延元年(1860年)に遣米使節団によってもたらされた植物の種子には、ラベンダーの種子が含まれていた。日本の香り文化を研究する吉武利文は、本草学者山本榕室に送られた種子の記録や、旗本で本草家の馬場資生圃(1785年 - 1868年)のラベンダーの絵などから、幕末期には一部ではあるが、精油が輸入され、栽培も行われていたと考えられる、と述べている。
ラベンダーの本格的な栽培・精油の蒸留は、1937年(昭和12年)に曽田香料株式会社の創業者・曽田政治が、フランスのアントワン・ヴィアル社からラバンデュラ・オフィキナリス(Lavandu la officinalis )の種子を入手したことに始まり、1942年(昭和17年)には日本最初のラベンダー油が採取されたといわれてきた。しかし吉武利文は、株式会社永廣堂の沿革には、1935年に伊豆(富戸)でラベンダー油・ゼラニューム油(ゼラニウム油)の栽培・採油を開始したとあり、それ裏付ける1939年の資料もあるため、北海道より伊豆の方が少し早かった可能性もあると指摘している。戦時体制下であった当時、伊豆では国産香料の生産が目指され、クロモジゼラニウムの蒸留の他に、ラベンダーも試験的に栽培・蒸留が行われていたが、第二次世界大戦が始まると食料増産のためラベンダーの生産はできなくなった。戦後は、伊豆では一部に残るのみとなった。曽田香料は戦中ラベンダーの原種苗を保存し、終戦後は契約による委託栽培を募り、富良野地方などでラベンダーの栽培・蒸留が広く行われた。しかし、1972年(昭和47年)頃から合成香料技術の進歩と輸入自由化の影響を受けて衰退した。
1960年代までは、ヨーロッパを旅する機会のない日本の一般大衆は、ラベンダーをほとんど知らなかった。フランスではラベンダーの香り袋やラベンダー油を用いた製品がよく見られるため、フランスを旅したり滞在したことのある日本人は知る機会があった。日本が経済的に豊かになるにつれ海外旅行をする人が増え、ヨーロッパでラベンダー関連製品の香りを自身で体験し、興味を持つ人が増えた。
1975年に国鉄のカレンダーで北海道富良野のラベンダー畑が紹介され問い合わせが殺到し、観光資源として栽培されるようになった。人気テレビドラマ『北の国から』(1981年 - 1982年)でもラベンダー畑が登場して話題となった。富良野のラベンダー畑は、夏の北海道旅行で立ち寄る場所の一種の「定番」となり、多くの日本人がラベンダーに親しむようになった。
筒井康隆の小説『時をかける少女』(1967年)やその映像化作品であるテレビドラマ『タイム・トラベラー』(1972年)、および原田知世主演・大林宣彦監督の映画『時をかける少女』(1983年)に、物語の鍵としてラベンダーの香りが登場した。それらの作品(特に1983年の映画)に接した人は、その名前と香りの特徴を知った。